孟宗Ⅰ

4月に入り花見のお客様には、春の味覚、庄内の郷土料理孟宗汁を提供している。
ただ、庄内の孟宗は5月のゴールデンウイークを過ぎてからが本番である。
これまでは、孟宗の有名産地のK児島、H島、K都なのどの孟宗を使用してきた。今は、I川産辺りまできているそうだ。もう間もなく、庄内孟宗の時期になる。
さて、この郷土料理の孟宗汁は、出汁は「金頭」に限ると海岸辺りでは云われている。勿論旬の魚であるので、孟宗の時期と一緒になることもあり言っているのだろうが、やはり鰯の焼き干しや飛魚の焼き干しには大きく適わない気がする。
汁の具も、厚揚げ、椎茸が一般的ではあるが、豚のバラ肉を入れるとコクがでる。昔は、厚揚げも高価で入れられない時代には、菜種油を入れてコク?を出したらしい。
付け添いは、今はアオサがベストであるが、地物産の孟宗が出る頃には、ワカメである。それに、山椒の若芽も添えることも忘れずに…。
とにかく、海藻と粕汁は相性が凄く良いのである。
粕汁はとろ火で、コトコト煮るのが普通だが、やはり味噌を煮たてるというと香りが飛び面白くない。と言ってもコトコト煮なければ味が染み込まず旨くない。
ということで、当館の孟宗汁は前日に作り、一晩冷蔵庫で寝せて翌日沸騰寸前まで温め提供している。
こうすると、味も染み込み、味噌の旨さも表現できるのだ。因みに、鮮度の良い孟宗は、米糠とか米のとぎ汁とか、鷹の爪は不要である。鮮度が下がって行くと、いがらさを発生するようだ。
孟宗と魚は全く同じ扱いと言う認識が大切のようだ。鮮度が命のようだ。
さて、庄内の孟宗の産地、T定孟宗、Y田川孟宗があるが我がS瀬孟宗があるのを忘れてはいけない!つづく…。