真のニシンは…

先日、山ウドを採って来た時に、身欠ニシンと煮付け料理をして食べた。
今日、そのあまりもののニシンを焼いて食べたのだが、物凄い煙が出ていた。まさか、こんなに脂が乗ってるニシンがと疑問ではあった。冷蔵庫に残りの一片があったので、触ってみると最初から脂っぽかった。脂というか、油である。
乾し上がったニシンに食用油を塗った仕事であるのではと疑ったのだが、真偽の程はわからない。もう買うなとお袋に忠告した。
ニシンは「鰊」と書くし、春になると捕れるので「春告魚」とも呼ばれたのも今は昔であろう。北海道で鰊漁で大成功を収めて、大御殿を建てたものもいるほどだ。
雇われた船員でさえ、ひと月もニシンの定置網船に乗れば、一年分を軽く稼いだという。しかしながら、乱獲が祟ってしまった。せめて食用できるだけを捕ればよかったのだろうが、飼料や肥料にまでするほど捕ったとか。
当時はあまりにとれすぎたので、ニシンは魚に非ずということで、「鯡」とも書いたとか…。
今は、その影響で北海道に近づくニシンはいない。ニシンのほとんどは、KナダやRシアからの輸入物になってしまった。
黄色いダイヤと言われた数の子も然りであるのは本当に寂しい限りである。